「あの人の名前、なんだっけ…」と頭の中では顔がくっきり浮かんでいるのに、どうしても名前だけが思い出せない。そんな場面でドキッとしたことはありませんか。ビジネスの場や学校、久しぶりに会った知り合いなど、忘れたらいけないときに限って名前を思い出せないと、焦りや申し訳なさでいっぱいになりますよね。
このページは、そんなモヤモヤを抱えた方に向けて、名前を思い出せないときの具体的な対処法をまとめたものです。なぜ顔は分かるのに名前だけが出てこないのかという仕組みから、脳の疲れや日々の情報量が与える影響、よくある物忘れと病気が関係する忘れとの違いまで、やさしく解説していきます。
さらに、知り合いの名前を忘れてしまったときの失礼になりにくい聞き方や、ビジネスシーンでのスマートな切り抜け方、名刺交換で名前をしっかり記憶に残すコツなど、すぐに使える実践的なポイントも紹介します。
「また名前を忘れたらどうしよう」と自分を責める前に、名前を思い出せないことが誰にでも起こる自然な現象だと知り、うまく付き合うための聞き方や工夫を一緒に身につけていきましょう。
- 顔は分かるのに名前を思い出せない原因としくみ
- 記憶力低下・語健忘・認知症などの違い
- ビジネスシーンで名前を思い出せないときの失礼になりにくい聞き方と対処法
- 日常の脳トレやスマホとの付き合い方で名前の忘れを減らすコツ
名前を思い出せない原因と対処法

●記憶力低下と語健忘の違いを知る
●脳疲労や脳過労で名前が出ないケース
●認知症やアレアレ症候群との違い
顔は浮かぶのに名前が出てこない理由
「あの人の顔はハッキリ浮かぶのに、名前だけが出てこない…」
これは決してあなただけではなく、多くの人が経験しているごく普通の物忘れです。
人の顔と名前は、脳の中で少し別の扱いになっています。顔やその人との思い出は、場面や感情とセットになって記憶されますが、名前は「ラベル」のようなもの。意味のない記号に近いので、覚えづらくて思い出しづらいのです。
例えば、
- 「どこで会ったか」は覚えている
- 「営業の人だった」「サークル仲間だった」など関係性も覚えている
- でも「佐藤さんだったか鈴木さんだったか思い出せない」
こんな状態は、顔やエピソードの記憶は残っていて、最後の“名前の一歩”だけが引き出せていないイメージです。
さらに、名前が出てこない場面はたいてい少し緊張していますよね。
- 久しぶりに会った
- 仕事の場面で失礼があってはいけない
- 「思い出さなきゃ」と焦っている
このような状態だと、脳がピンと張ってしまい、かえって記憶の引き出しが開きにくくなります。その結果、「喉まで出かかっているのに出てこない」という、あのもどかしい感覚が生まれます。
もうひとつよくある原因が、情報の多さです。
仕事、プライベート、SNSなどで、毎日のように新しい人に出会うと、脳はすべてを完璧には覚えきれません。特に一度しか会っていない人や、短い時間しか話していない相手の名前は、優先順位が低くなりやすいと言われています。
つまり、
- 名前はそもそも忘れやすい種類の情報である
- 緊張や焦りで、思い出す力が鈍る
- 毎日の情報量が多すぎて、脳のキャパがいっぱい
こういった要素が重なって、「顔は浮かぶのに名前が出てこない」という状況が起きやすくなっています。
「自分だけ物覚えが悪い」と責める必要はありません。誰にでも起こる、ごく普通の現象だと知っておくだけでも、少し気持ちがラクになりますよ。
記憶力低下と語健忘の違いを知る
「最近、名前がすぐ出てこないし、これって記憶力低下かな…」と不安になることもありますよね。
ここでは、よく混ざりやすい「記憶力が全体的に落ちている状態」と「語健忘」という状態の違いを、できるだけやさしく整理してみます。
まず、一般的な記憶力低下というのは、
- 約束の時間や予定をよく忘れる
- 物を置いた場所を何度も思い出せない
- さっき聞いた話の内容があいまいになる
…など、生活のいろいろな場面で忘れやすさを感じる状態です。
名前だけではなく、「やるべきこと」「言われたこと」「物の場所」など、幅広いことが抜けてしまうのが特徴です。
一方で、ここで言う語健忘というのは、
- 言いたい言葉が出てこない
- 物の名前や人の名前だけがパッと出てこない
- 「あれ」「それ」でごまかしてしまう場面が増える
といったように、主に「言葉」がうまく口から出てこない状態を指します。
例えば、「冷蔵庫」と言いたいのに、頭の中ではわかっているのに口から出てこなくて、「あの、キッチンにある白い…食べ物を冷やすやつ…」と回りくどく説明してしまう、というような感じです。
ここで押さえておきたいポイントは、
- 「記憶自体」は残っているのに、言葉だけが出にくい
- 頭の中ではイメージや意味はわかっていることが多い
- 特に疲れているときや緊張しているときに起こりやすい
という点です。
人の名前が思い浮かばない場合も、「どこで会った人か」「どんな性格か」などは覚えているのに、肝心の名前だけが出てこないことが多いですよね。これは、記憶がまるごと抜けたというより、名前という“ラベル”部分だけが引っかかっている状態に近いです。
「名前が出てきにくい=すぐに重い病気」というわけではありませんが、自分の状態を大まかに知っておくことで、不安を減らしながら対策を考えやすくなります。
脳疲労や脳過労で名前が出ないケース
「昨日会ったばかりなのに、もう名前が出てこない…」
そんなとき、年齢だけを気にしてしまいがちですが、実は脳の疲れが大きく関わっていることも多いです。
私たちの脳は、一日中たくさんの情報をさばいています。こうした情報が積み重なると、脳は休むヒマがなくなり、いわゆる脳疲労・脳過労の状態になっていきます。
体と同じで、頭も疲れがたまると動きが重くなり、細かいことを思い出す力が落ちてしまいます。
特に人の名前は、
- ただの「音の並び」で意味がわかりにくい
- 顔や出来事とは別枠で覚えないといけない
という特徴があり、脳が疲れていると真っ先に思い出しづらくなる部分でもあります。
たとえば、こんな状態になっていないでしょうか?
- 仕事が忙しくて、毎日夜遅くまで起きている
- 寝る直前までスマホを見ている
- 休みの日も頭が仕事モードのままで、ゆっくり休めていない
- 「常に何か考えている」感じがする
このような生活が続くと、脳はずっとフル回転のままです。
すると、
- 新しいことが頭に入りづらい
- いったん覚えたことを取り出すのに時間がかかる
- ささいなことでイライラしたり、集中が続かなかったりする
といった状態になりやすくなり、その一つのサインとして「名前がすぐ出てこない」が表に出やすくなります。
名前が出てこないと、「自分はダメだな」と責めてしまいがちですが、まずは「脳がちょっと疲れているサインかもしれない」と考えてみてください。
自分を追い詰めるのではなく、脳を休ませてあげるきっかけだと思うと、少し心が軽くなりますし、対策にもつなげやすくなります。
認知症やアレアレ症候群との違い
「名前がすぐ出てこないってことは、もしかして認知症のはじまり?」
そんな不安が頭をよぎることもありますよね。ここでは、ふつうの“名前ど忘れ”と、認知症・いわゆるアレアレ症候群と言われる状態との違いを、やさしく整理してみます。
まず、名前が思い出せないときでも、
- 顔はちゃんとわかる
- どこで会った人か覚えている
- 話した内容や相手の雰囲気も思い出せる
- しばらくしてから「そうだ、○○さんだ!」とふと浮かぶ
こういうパターンなら、多くの場合はよくある物忘れの範囲です。
脳の中では記憶が残っていて、取り出すのに少し時間がかかっているような状態です。
一方で、認知症が疑われる物忘れには、次のような特徴が見られることが多いと言われます。
- さっきの会話そのものをまるごと覚えていない
- 同じことを何度も質問してしまう
- 今日の予定や約束を繰り返し忘れてしまう
- 財布や鍵など、生活に必要なものを頻繁に失くす
- 慣れた道で迷ってしまうことがある
ここまでくると、「名前だけの問題」ではなく、日常生活全体に忘れっぽさが広がっているイメージです。
また、「アレアレ症候群」という言葉は、
「ほら、あれあれ、あの人、なんて名前だったっけ」
という“あれ・それ・あの人”が口ぐせになってしまう様子を指して使われることが多いです。
アレアレ症候群と言われるような状態でも、
- 言いたいことは頭ではわかっている
- 人や物の顔・形は浮かんでいる
- ただ、単語や名前だけがスムーズに出てこない
ということがよくあります。
この場合も、名前のラベルだけ引っかかっているイメージに近く、必ずしも認知症というわけではありません。
知り合いの名前を思い出せない時の対処法

●名刺交換で相手の名前を確認するコツ
●スマホ依存を減らし記憶力低下を防ぐ
●日常の脳トレで人の名前を忘れない
ビジネスで名前を思い出せない時の聞き方
仕事の場面で相手の名前が出てこないと、心臓がキュッとなりますよね。
取引先、お客様、社内の上司や別部署の人など、ビジネスでは名前を間違えると気まずくなりやすい場面も多くあります。
ここでは、ビジネスシーンで名前を思い出せないときの、失礼になりにくい対処法を具体的にご紹介します。
1. まずは「フルネームで呼ばなくてもいい」と割り切る
ビジネスだからといって、必ずしもフルネームで呼ばなければいけないわけではありません。
とっさのときは、次のような言い方で乗り切れる場合も多いです。
- 「先ほどお話しした件ですが…」
- 「◯◯株式会社のご担当者さま」
- 「いつもお世話になっている営業の方」
など、役割や会社名で呼ぶことで、直接名前を使うことを避けられます。
ただし、社内の近い関係の人には少しよそよそしく感じられることもあるので、その場の空気を見ながら使い分けましょう。
2. 自分からあらためて名乗り、相手に名乗ってもらう
対面のときに使える、とても自然なやり方です。
と、自分からもう一度名乗ると、多くの人は、
とあらためて名乗り返してくれます。
「さっきも会ったのに名乗るのは変かな」と思うかもしれませんが、むしろ丁寧な印象になることが多いです。
3. 漢字や呼び方を口実に、さりげなく確認する
少し仲良くなっている相手なら、こんな聞き方もおすすめです。
- 「そういえば、◯◯さんのお名前って漢字だとどう書くんでしたっけ?」
- 「下の名前、なんとお読みするのが正しいですか?」
すでに知っているふりをしつつ、「間違えたくないので教えてほしい」という空気で聞くと、相手も嫌な気持ちになりにくいです。
このとき、「さきほどはカタカナでメモしてしまって…」など、一言添えるとスムーズです。
4. 名刺やメール、社内ツールをこっそりチェックする
ビジネスでは、名前のヒントになるものが周りにたくさんあります。
- もらった名刺
- 過去のメールの署名
- 社内チャットやグループウェアのメンバー一覧
- 会議の出席者リスト
すぐスマホやPCを見られる状況なら、会話の途中でさりげなく確認するのもひとつの手です。
たとえば、資料を開くふりをして、メールの送信済みトレイから相手とのやりとりを探す、などですね。
5. 同僚に助けてもらう
一緒にいる同僚がいれば、事前に耳打ちして、
とこっそり聞いておくのも現実的な対処です。
あるいは、同僚にこう言ってもらう形もあります。
そこから相手が名乗ったタイミングで、あなたも「改めてよろしくお願いします」と自然につなげられます。
6. 正直に謝るときの、やわらかい言い回し
どうしてもごまかせない、あるいは何度も会っている相手で「いまさら聞けない」と悩んでいるうちに、かえって気まずくなってしまうこともあります。
そんなときは、勇気を出して素直に聞いてしまったほうが、長い目で見て関係は良くなることも多いです。
その際は、こんな言い方が使えます。
ポイントは、
- 自分の不甲斐なさ・申し訳なさをしっかり伝える
- 相手のことを大切に思っている姿勢を言葉にする
- 明るく軽く流すのではなく、きちんと言う
というところです。
誠意を持って伝えれば、「そんなこともありますよ」と笑って受け止めてくれる方が多いはずです。
名刺交換で相手の名前を確認するコツ
名刺交換は、相手の名前をしっかり頭に入れる絶好のチャンスです。
ただ「受け取って名刺入れにしまうだけ」だと、あとで「あれ、この人誰だっけ…」となりがちなので、少しだけ工夫してみましょう。
① 名刺を受け取った瞬間に名前を声に出して確認する
名刺を受け取ったら、まず相手の名前をゆっくり声に出すのがおすすめです。
といった具合に、会社名と名前をセットで口にすると、耳からも記憶に入りやすくなります。
ちょっとオーバーなくらい、はっきり読み上げると頭に残りやすくなります。
② 漢字や読み方をあえて聞いてみる
一度で正しく読めなさそうな名前なら、思い切って聞いてしまいましょう。
- 「お名前の漢字、とても素敵ですね。どういう字を書くんですか?」
- 「お名前は“◯◯”とお読みしてよろしいでしょうか?」
といった形で聞けば、失礼どころか会話のきっかけにもなります。
漢字や読み方を意識することで、ただの文字列だった名前にイメージが付きやすくなるのもポイントです。
③ 名刺の余白にサッとメモを書く
名刺の裏や少し空いているスペースに、相手の特徴をメモしておくのもかなり効果的です。
- 「メガネ」
- 「猫好き」
- 「大阪支店」
- 「明るい声」
など、一言で思い出せるキーワードを書いておきます。
あまり大きく書くと失礼に見えることもあるので、相手が席を外したときや、その場の雰囲気を見ながら、こっそり小さく書くと安心です。
④ テーブルの上に名刺を並べておく
会議や打ち合わせで複数人と名刺交換する場合は、自分の席の前に名刺を並べておくのが定番です。
座っている位置と名刺の位置を対応させておけば、
- 話しかけるときに名前を確認できる
- 資料を渡すときに「◯◯様、こちらをどうぞ」と自然に呼びかけられる
など、その場ですぐ名前を使えるようになります。
会議中に何度も名刺を見ていると、それだけで名前が頭に入りやすくなります。
⑤ 別れ際にもう一度名前を呼んでみる
商談や挨拶が終わるときに、
「またぜひよろしくお願いいたします、山本様。」
と、最後にもう一度名前を呼ぶと、印象も良くなり、自分の記憶にも残りやすくなります。
「会話の最初・途中・最後」で名前を一度ずつ使うイメージでいると、後から思い出すのがぐっとラクになります。
名刺交換は、ただの形式ではなく「名前を覚えるための時間」と考えてみてください。
小さな一手間を加えるだけで、「名刺はあるのに名前が出てこない…」というモヤモヤがかなり減らせますよ。
スマホ依存を減らし記憶力低下を防ぐ
「気づいたら一日中スマホを触っている…」
そんな生活が続くと、頭の中が常に情報でいっぱいになり、新しく覚える力や、思い出す力が落ちやすくなると言われています。
ここでは、スマホとの付き合い方を少し見直して、名前を覚える力も守っていくコツをお伝えします。
① まずは「使う時間」をざっくり把握する
いきなりスマホを減らそうとする前に、まずはどれくらい触っているかを知るところから始めてみましょう。
多くのスマホには「1日の使用時間」や「アプリごとの使用時間」が見られる機能があります。
- 何時間くらい画面を見ているのか
- どのアプリに一番時間を使っているのか
これを知るだけでも、「あ、思ったより使ってるな…」と気づきが生まれます。
② 通知を減らして、脳の中断時間を減らす
通知が鳴るたびに画面を見てしまうと、そのたびに集中力が切れます。
集中が切れる回数が増えるほど、記憶に残りにくくなってしまいます。
- SNSやゲームの「プッシュ通知」をオフにする
- メールやチャットは、自分で決めたタイミングでまとめて確認する
など、「鳴ったら見る」から「時間を決めて見る」に変えるだけでも、脳の負担はかなり軽くなります。
③ スマホを見ない時間帯を決める
いきなりスマホの使用時間を半分にするのは難しいので、まずは“スマホを触らない時間帯”を作るのがおすすめです。
例えば、
- 朝起きてから30分はスマホを見ない
- 夜寝る1時間前はスマホを別の部屋に置いておく
- 食事中はテーブルにスマホを置かない
といった小さなルールから始めてみましょう。
最初は落ち着かないかもしれませんが、慣れてくると「頭がスッキリする」という感覚が出てくる人もいます。
④ 紙のメモや手帳をうまく使う
スマホは便利ですが、全部をスマホに任せてしまうと、「自分の頭で覚えよう」という働きが弱くなりがちです。
とくに人の名前や、会ったときの印象などは、あえて紙に書くのもおすすめです。
- 名刺を貼ったノートに「明るい人」「猫好き」など一言メモを添える
- 手帳のその日のページに「◯◯さんと初対面」と書いておく
手を動かして書くことで、脳に残りやすくなり、「覚えようとした」という感覚も生まれます。
⑤ 暇つぶしを「スマホ以外」に分散させる
なんとなく手持ち無沙汰で、ついスマホを開いてしまうことも多いと思います。
そんなとき、スマホ以外の“暇つぶしの選択肢”を用意しておくと、依存度を下げやすくなります。
- 小さな本や電子書籍リーダーを持ち歩く
- メモ帳を持って、思いついたことを書き出す
- 頭の中で暗算ゲームをする、しりとりをする
など、ちょっとした時間を、脳にとって負担の少ないものに変えていくイメージです。
⑥ 脳を休ませる時間を意識してつくる
ずっと画面を見ていると、目だけでなく頭も疲れ切ってしまいます。
何もしない時間や、ぼーっと空を眺める時間は、一見ムダに思えて実はかなり大事な時間です。
- 通勤中、あえて音楽だけ聴いて窓の外を見る
- お風呂ではスマホを持ち込まず、湯船につかりながら頭を休ませる
- 寝る前に1〜2分、目を閉じて深呼吸する
こうした「何もしない時間」が、記憶を整理する手助けになり、名前を覚える力や思い出す力を守ることにもつながっていきます。
スマホは便利な道具ですが、使いすぎると脳が休むタイミングを失ってしまいます。
少しずつ距離感を整えていくことで、「最近、頭がスッキリしてきた」「名前が前より出てくる気がする」と感じられるようになるかもしれません。
無理に一気に減らそうとせず、自分に合うペースで少しずつ見直していきましょう。
日常の脳トレで人の名前を忘れない
「名前を覚えるのが苦手なんです…」という人でも、ちょっとした“脳トレ習慣”を足していくことで、少しずつ人の名前が頭に残りやすくなっていきます。特別な道具は必要ありません。毎日の生活の中でできる、やさしいトレーニングをいくつかご紹介します。
1.会った人の名前をその日のうちに振り返る
その日一日に会った人を、夜寝る前に思い出してみましょう。
- 朝:◯◯さん(コンビニの店長)、△△さん(同僚)
- 昼:取引先の□□さん
- 夜:ジムのインストラクターの××さん
というように、心の中で名前と顔をセットで思い浮かべます。
余裕があれば、メモ帳にさらっと書いておいてもOKです。
「今日会ったのって誰だっけ?」と考えること自体が、記憶を引き出す練習になります。特に、新しく出会った人の名前を思い返す習慣はおすすめです。
2.名前+特徴をセットで思い出すゲームをする
単に名前だけを思い出そうとするより、
- 「釣りが趣味の山本さん」
- 「営業部のムードメーカー田中さん」
- 「コーヒー好きの佐々木さん」
のように、特徴をセットにして思い出すクセをつけると、記憶が強くなります。
通勤中やお風呂で、「この前会った◯◯さんって、どんな人だったっけ?」と、自分に質問する感覚で思い出してみましょう。自然と記憶の引き出しを開ける練習になります。
3.紙に書く“名前ビンゴ”を作ってみる
紙にマス目を書いて、知っている人の名前をランダムに書き込んだ「名前ビンゴ」を作ってみるのも楽しい方法です。
- 家族
- 職場の人
- 趣味仲間
- 昔の同級生
など、思いつくままに書いてみましょう。後から見返したとき、「あ、この人最近会ってないな」など、名前と一緒に記憶がよみがえります。暇なときに新しい名前を追加していくと、自分だけの“記憶ノート”のようになっていきます。
4.買い物リストや用事をあえて暗記してみる
直接名前とは関係ありませんが、「覚えて→思い出す」力を鍛える意味で効果的です。
- 買い物リストをあえて紙に書かず、頭に入れて買いに行く
- どうしても不安なら、最後の保険としてスマホにだけメモしておく
という形にすると、「忘れないように意識する」習慣が身に付きます。
この“意識して覚える力”は、人の名前を入れるときにも役立ちます。
5.人の名前をあえて「口に出す」トレーニング
名前は、聞くだけより自分の口で言ったほうが記憶に残りやすいです。
- 家族に「今日ね、◯◯さんって人と会ってね」と話す
- 同僚に「さっきのプレゼンの△△さん、説明わかりやすかったね」と話題に出す
など、人と話す中で名前を積極的に使うようにしてみてください。
「聞いた名前を、自分の言葉として使う」こと自体が、良いトレーニングになります。
難しい勉強をしなくても、こうした小さな積み重ねで、少しずつ「人の名前が定着しやすい頭」に近づいていきます。できそうなものから、ひとつ選んで今日から試してみてくださいね。
名前を思い出せない時の対処法まとめ
ここまで、「名前を思い出せない」場面の背景や、具体的な対処法をいろいろ見てきました。
名前が出てこないと、「自分だけだ」と感じてしまいがちですが、実際は多くの人が同じような経験をしています。
人の名前はもともと忘れやすい情報なので、「名前を思い出せない=すぐに記憶力低下や認知症」と決めつける必要はありません。
どうしても名前が出てこないときは、いったん深呼吸して落ち着きましょう。そのうえで、
- 会った場所や状況を思い出す
- 一緒にいた人や話した内容を振り返る
- 五十音を順番に頭の中でたどってみる
といった小さな工夫で、記憶のスイッチが入ることがあります。
「無理やり思い出そう」と力を入れすぎず、少し時間を置くのも大切です。
また、対面・メール・電話、それぞれの場面で使える名前の聞き直し方をいくつか持っておくと安心です。
- 対面なら、自分から改めて名乗って相手にも名乗ってもらう
- 「お名前の漢字はどのように書きますか?」と、漢字を口実に聞く
- メールなら、「先日は名刺をいただきありがとうございました。お名前を失念してしまい…」と丁寧に書く
- 電話なら、「恐れ入ります、もう一度お名前をお聞かせいただけますか?」と素直に伝える
大事なのは、「あなたを軽く見ているわけではない」と伝わるように、丁寧な言い方を心がけることです。
名前を思い出せない時の対処法は、「自分を責める」ことではなく、「どうリカバーするか」を準備しておくことです。
少しずつ工夫を重ねていけば、「また忘れたらどうしよう」という不安も和らいでいきます。
焦らずじっくり、自分のペースで“名前との付き合い方”を整えていきましょう。
